転職が決まると、ほっとして気が緩みがちです。でも、転職には「決まった後」の手続きが意外と多く、放置するとお金で損をしたり、後から慌てたりします。
「源泉徴収票をくださいと言いそびれた」「保険の切り替えを忘れて無保険の期間ができてしまった」「住民税の納付書が突然届いて驚いた」――どれも転職した人によくある失敗です。
この記事では、転職後に必要な手続きを「前職から受け取るもの」「入社先へ提出するもの」「空白期間がある場合の手続き」に分けて、損しないためのポイントと一緒に解説します。
転職後の手続きチェックリスト
まずは全体像です。やることは大きく3つに分かれます。
- 前職から受け取る:源泉徴収票、雇用保険被保険者証、年金手帳(または基礎年金番号が分かるもの)
- 入社先へ提出する:源泉徴収票、雇用保険被保険者証、扶養控除等(異動)申告書、マイナンバー、給与の振込口座
- 空白期間がある場合:国民年金への切り替え、健康保険の切り替え、住民税の納付
一つずつ見ていきましょう。
前職から必ず受け取る3つの書類
源泉徴収票
年末調整に必須の書類です。前職の会社には、退職後1か月以内に発行する義務があります。
年内に再就職した場合、入社先へ源泉徴収票を提出すれば、前職分の給料と合算して年末調整をしてもらえます。逆に、もらい忘れると年末調整ができず、自分で確定申告をする手間が増えます。転職手続きで一番多い失敗がこれです。退職時に「源泉徴収票は郵送でお願いします」と一言伝えておくと確実です。
雇用保険被保険者証
雇用保険の番号を確認するための書類で、入社先から提出を求められます。なくした場合はハローワークで再発行もできますが、手間がかかるので退職時に受け取り忘れないようにしましょう。
年金手帳・基礎年金番号が分かるもの
最近は入社先でマイナンバーから年金番号を確認できることも増えていますが、手元に年金手帳や基礎年金番号通知書があると手続きがスムーズです。
入社先へ提出するもの
入社が決まったら、次のものを期限までに提出します。
- 扶養控除等(異動)申告書(その年の年末調整に必要。入社時に記入することが多いです)
- 前職の源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証
- マイナンバー
- 給与の振込口座の情報
特に注意したいのが源泉徴収票の提出期限です。年末調整の締切に間に合わないと、合算してもらえず確定申告が必要になります。入社時に「源泉徴収票の提出期限はいつですか」と確認しておくのがおすすめです。
空白期間がある場合の手続き【期限あり】
退職から入社まで間が空く場合は、自分でやる手続きが増えます。しかも期限付きです。
国民年金への切り替え(14日以内)
退職すると厚生年金から外れるため、空白期間がある場合は市区町村の窓口で国民年金への切り替え手続きをします。期限は退職日の翌日から14日以内が目安です。「どうせすぐ再就職するから」と放置すると、未納期間ができて将来の年金に影響します。
健康保険は2つの選択肢から選ぶ
空白期間の健康保険は、次のどちらかです。
- 国民健康保険に加入する(市区町村で手続き。目安は14日以内)
- 前職の健康保険を任意継続する(退職後20日以内に申請。原則2年間。保険料は全額自己負担になります)
どちらが得かは保険料次第です。扶養する家族が多い場合は任意継続の方が安くなることもあります。いずれにしても、無保険の期間を作らないことが何より大切です。切り替え前に病院にかかると、いったん全額自己負担になるリスクがあります。
住民税の納付書を放置しない
退職すると、残りの住民税を自分で納める「普通徴収」の納付書が届くことがあります。突然数万円単位の納付書が届いて驚く人が多いのですが、放置すると延滞扱いになるおそれがあります。再就職先で給与天引き(特別徴収)を再開できる場合もあるので、入社先の担当者に相談してみましょう。
年末調整と確定申告、どっちが必要?
結論から言うと、12月末時点で新しい会社に在籍していて、前職の源泉徴収票を提出済みなら、年末調整で完結します。自分で確定申告をする必要はありません。
逆に、次の場合は確定申告が必要です。
- 年末時点で次の仕事が決まっていない(退職中・求職中)
- 源泉徴収票が年末調整の締切に間に合わなかった
年の途中で退職して空白期間があると、所得税を多めに天引きされていることが多く、確定申告をすれば還付されるケースも珍しくありません。面倒に感じても、確認する価値はあります。
転職手続きでよくある失敗3つ
最後に、転職した人がつまずきやすい失敗をまとめます。
- 源泉徴収票をもらい忘れる → 年末調整に間に合わず、確定申告が確定する
- 健康保険の切り替えを後回しにする → 無保険期間ができて、医療費が全額自己負担になるリスク
- 住民税の納付書を放置する → 督促や延滞のリスク
どれも「知らなかった」だけで損をするパターンです。逆に言えば、知ってさえいれば防げます。
まとめ
転職後の手続きは地味ですが、期限のあるものと、お金に直結するものばかりです。特に「源泉徴収票の受け取り」と「空白期間の年金・保険の切り替え」は最優先で片付けましょう。
内定後から入社までの流れ全体については、「内定後にやるべきこと|退職交渉・入社準備で失敗しないための完全ガイド」の記事でも解説しています。退職の進め方に不安がある方は、「円満退職するための手順と注意点」もあわせてチェックしてみてください。
手続きを制する人が、転職を制します。新しいスタートを気持ちよく切るためにも、決まった後のひと手間を大切にしましょう。
